『なんなのよ、あいつ。』

本当に、意味わからない。
急に来たと思えば、何か言って
すぐに戻っていく。

「夏っ。
また夏だよ?
先輩、夏に気があるんじゃないの!?」

ふんっ。と鼻をならしながら恵美は言った。
すると希が来て、フォローしてくれた。

「夏は気ないんだから、
別にいいんじゃないの?
ね、夏。」

『うん。
そうだよっ。私は何も思ってないから。』

「まあ、いいけどね。」

恵美はそう言って笑い、どこかに行った。

「あたしも先輩は夏に気があると思うな。」

希が言い出した。

『えぇ!?
希まで、そんな事言わないでよ・・・。
きっと、あいつは遊んでるだけだって。
私は、遊ばれてるんだよ。』

「夏、誘われてたじゃない。」

誘われてた?
・・・そういうば・・・。
誘われた。
私、誘われた!?

『誘われたよ!?
希、どうすればいいの?』

「そんなの、夏の好きにすればいいでしょ。
行きたくないなら、行かなかったらいいじゃない?」

『行きたくない。
絶対行きたくないっ。』

「なら、行かなくていいんじゃない?」

そう言って希は席に戻って行った。


授業が始まって、
私はずっと窓の外を見ていた。

"明後日の朝9時、駅で待ってるから"

杉本の言葉が頭から離れない。