「手伝ってほしい?」

黙々と作業をしていたら、青山がそんな言葉をほざいた。

「そりゃあね」

そもそも手伝うってなんだ?

これは青山の仕事でもあるのに。

「んーじゃあ、俺としりとりして、勝ったら手伝ってやんよ」

「は? なんでそんな子供っぽいこと……」

「なら手伝わないけど?」

あたしはまた溜め息をついた。

「わかった……で、どっちから始める?」

「俺からね。きょうしつ」

「つ? ……つくえ」

「えんぴつ」

「また、つ? つ……つみき?」

「きつね」

「……ねずみ?」

「み? ……美咲(みさき)ってさ、好きなやつとかいんの?」

「はいっ?」

突然へんなこと訊くから、声が裏返った。

あたし、なんでこんなこと訊かれてるの?

からかって遊んでるんだろうか?

てゆーか、こんなことしてる場合じゃないのに。

色塗り、全然終わってないし。