「全ては、俺の策略」
床に座り込む美優の前にしゃがみ込み、怪しい笑みを浮かべる星鬼。
「あいつのところには、行かせねえから」
怖がる美優の手を強引に引っ張るこの男は、星哉と言う名の金髪の青年だった。
「お願い、やめてよ星哉」
「やめねえよ。俺の執念深さに勝てる奴はいない」
「ねえ、星哉。ずっと気になってたんだけど、星哉はどうして星鬼って呼ばれてるの?」
星鬼はこの城の中では王様のような存在らしく、
星鬼に反逆する者はおろか、不満を持つ者はいなかった。
『星鬼さま』と呼ばれていることを、美優は不思議に思っていたのだ。
「星鬼というのは、ニックネームみたいなものだな。本名は星哉だ」
「そうなんだ」
「美優が自ら俺のことを知ろうとしてくれたことが、俺は何より嬉しいぞ」
「そんなんじゃない…!」
「照れんなよ」
星鬼改め星哉は美優の前髪に触れた。
「ねえ、どうしてこんな監禁まがいのことをするの?」
「監禁じゃない。俺は、この城でお姫様を寵愛しているだけだ」
この言葉を聞いて美優の肌が粟立ったことは、言うまでもない。

「私を、帰して!」
美優は叫んだ。星哉に誘拐されてからずっとこの言葉を発していたが、
今の美優の悲痛な叫びが、星哉に届くことはなかった。
「美優、俺は手荒なことはしたくないんだよ。
寵愛している姫を傷つけるようなことは、したくないからな」
星哉は美優をソファーへ乱暴に押し付け、ネクタイで手首を縛った。
手首は、いつも胸の下で固定されている。
「やめて…!ストーカーなんか大嫌いよ!」
「美優は鈍感だから、わかりやすい手を使ったんだよな」
ソファーに横たわる美優に体を近付け、星哉は美優を舐め回すように見ていた。
「どうして私につきまとうの?どうして追いかけ回すの?」
「言わなかったか?好きな女を追いかけるのは、男の性だ」
星哉は、美優の左胸を揉み解す。
「やっ…」
「美優、どう?気持ちいい?」
「気持ちよくなんかない!」
美優が星哉を睨むと、星哉が美優に顔を近付けてきた。
「ひゃあっ…!」
「その声も顔も、最高だよ。美優」
首に、ぬるっとしたものが纏わりつく。
「美優…甘い。甘すぎる」
星哉は再び美優の首を下でぺろぺろと舐めた。
ぬるっとした触感は、星哉が舐めた痕だったのだ。
「舐めないで…!」
「分かったぞ、美優。たくさん、舐めてやるから」
「舐めないでって…」
「そんなうるうるした目で見たって、逆効果だぞ」
「お願い…やめて、星哉…」
美優は腰を逸らせながら星哉に懇願した。
「仕方ない。今日はこの辺にしといてやる」
まだ息が上がっている美優に、星哉は耳元で囁いた。
「いいか、美優。俺は昔から、美優がずっと好きだったんだ」
「昔からって、どういうこと…?」
「ずっと一緒に過ごしてきたのに俺のこと忘れちゃったとか、許せねえな」
「ねえ、どういうこと…ああっ!やめて、星哉…!」
「美優…美優…」
星哉は美優の言い分を聞かず、美優の首を舐め始めた。
「大丈夫だ、美優。そのうち俺の愛情が嫌というほどわかる日が、すぐに来る。
安心して俺に身を預けろ」
星哉は美優の首に舌を這わせ、美優の反応を楽しんでいた。