運命だけを信じてる


お昼休み、小牧さんに誘われてランチに出た。

近くのお店で手打ち蕎麦を頂く。


「あっという間に4月下旬で、この辺の桜は咲き散りましたね」


「私、今年もお花見行けませんでした。後、夜桜とかも綺麗だろうな」


「来年は一緒に行きましょう」


小牧さんの言う来年、私たちはどうなっているのだろう。

最初があんなだったからもっと強引かと思いきや、彼は必要以上に私を束縛せず、詮索だってしてこない。

付き合ったあの日以来、デートだってしていない。付き合いたての男女ってもっとこう、頻繁に連絡を取って出掛けるのものでは?


「…もうすぐ小牧さんが入社して1ヶ月経ちますね。早いです」


結局私は無難な話題にすり替えて、逃げた。