なにより小牧さんの努力が、星崎課長に認められたことが嬉しかった。
「そうだ前山、日曜空いてるか?」
"話は変わるけどな"なんて付け足された言葉に、胸が騒ぐ。
「はい、空いてます」
なるべく冷静に応えたつもりだ。
例え空いてなくても空けます!
「取引先が新しい営業所を構えたということで、手土産でも持って訪問しようと思っている。女性が居た方が向こうも喜ぶだろう…って、これセクハラか?」
ハッとして気まずそうに私を伺う星崎課長に首を振る。
女性枠に入れてもらえただけで、大変光栄なので!セクハラなんてとんでもないです。
良かった…そう呟いて、安心している星崎課長に思わず笑みが漏れる。
年上の人に可愛いっておかしいけれど、無性に愛おしくなる。
「もちろん休日手当も付けるからな」
「ぜひ行かせて頂きます」
「詳しいことはメールする」
「宜しくお願いします」
仕事であっても星崎課長と出掛けられる。それだけで最高の休日だ。
好きな人の、傍。
それ以上に幸せな場所はないよね。


