運命だけを信じてる


家族への反発。
小牧さんが話してくれたその理由に嘘はないと、私は信じている。


「おまえが納得してるなら良いが…」


「仕方ないとは思っています」


「じゃぁ、おまえが金髪を止めてと言ったら、小牧は黒髪に戻すのか?黒髪でないと別れると言ったら、自分の事情よりも前山ちゃんを優先するのか?」


「それは…」


どうなのだろう。
小牧さんは私の言う通りに染め直してくれるのだろうか。

正直、分からない。
だって私にはまだ、彼が本当に私を愛しているのかさえーーよく分からないのだから。


「この問いに、おまえが自信を持って"YES"と言える日まで、おまえらの恋愛を俺は認めない」


真っ直ぐな瞳に責められている気分になった。


たぶん逢瀬先輩なら、彼女のことをなによりも優先して大抵のことは叶えてあげるのだろう。

優しくて、頼りになる人だから。