ーー前山が新人の頃から、君は俺にとって特別だった。
ーーずっと、好きだった。
何度も彼の言葉がこだまする。
嬉しかったな…。
寝返りをうちながら、天井を見つめる。
いつもはお酒を飲めばすぐに眠くなってしまうのに、今夜は目が冴えて眠れそうにない。
同じ気持ちだ。
私も新人の頃からずっと、星崎課長が好きだった。
やっと想いが通じ合った。
でも飛鳥さんの気持ちを思うと、素直になっても良いものだろうか。
逢瀬先輩にはなんて報告しようか…。
どうせ誤魔化してもバレてしまいそうだけど。
「え?もう朝?」
携帯から好きなアーティストのバラードが流れ、慌てて起き上がる。
目覚まし時計のアラームかと思えば、着信を知らせていた。
「小牧さん…」
そしてその相手も意外だった。


