運命だけを信じてる


私の返事に小牧さんは金髪をわしゃわしゃとかき混ぜた。

せっかく整っていたヘアスタイルが乱れ、ゆっくりと目を開いた彼は少し気怠げに見えた。


「…ごめんなさい」


「最初からあなたの恋を応援すると決めているから、大丈夫ですよ。覚悟はしてます」


「覚悟?」


「いつかあなたを手放す覚悟です」


自嘲気味に笑う。


「でも、もう少し一緒に居てもいいですよね」


「そうですね。今戻っても杉山さんたちのお喋りは止んでないと思います」


「……そういう意味じゃないんですけど」


ボソッと発せられた言葉に首を傾げる。


「え?」


「いえ。珈琲いただきます」


「はい」


「お疲れ様です」


紙コップをコツンと合わせる。

珈琲を口にして、少し肩の力が抜けた。