運命だけを信じてる


3階にある休憩スペースのソファーに座る。

アズマネクスト商事が入っているビルは駅から徒歩5分の位置にあり、15階建のビルの3階〜6階を借りている。

私たち管理課は4階の一角を割り当てられている。


休憩スペースは広く、マッサージチェアやテレビが用意されている。珍しく今日は利用者はおらず、貸切状態だ。


カップ式自動販売機でドリップコーヒーが出来上がるのを待ちながら、溜息をつく。

一杯だけ。
飲んだら頭を切り替えてすぐに帰ろう。ミスをした身分で休んでいる場合じゃない。


自動扉が開く音がして振り返る。


「小牧さん?」


「前山さんが休憩しているところ、初めて見ました」


「給湯室のインスタントコーヒーで済ませてしまうことが多いから…」


ネクタイを緩めてソファーに座った小牧さんがどうして休憩室に来たかなんて、理由を聞かなくても分かる。


「心配してくれましたか?」


「いいえ。僕も休みたくて」


小牧さんが目を閉じる。


もう一杯、コーヒーを買い、その隣りのソファーに腰掛けた。