小牧さんと少し雑談をして、ご機嫌で帰っていく村井さんを見送り、彼と顔を合わせる。
ごめんなさい、ありがとう。
そう伝えてしまっていいのだろうか。
今からでも追い掛けて、村井さんに真実を伝えるべきではないのか。
「タイミングの悪いことに星崎課長も逢瀬先輩もいないので。出すぎたことをしたと分かっていますが、僕のせいにした方が丸く収まると思いました。村井さん、頻繁に僕を食事に誘ってくるので…」
それでも、嘘はよくない。
「それに誰が忘れたかという問題でなく、結局は管理課の責任でしょう。つまり星崎課長の責任になります。2人で手分けして1分でも早く、資料を準備することが先決では?」
私の手からメモを奪い、デスクに戻った小牧さんの意見は最もだった。
「気を取り直してやろう!私も手伝うから」
水原さんも声を掛けてくれた。
そうだ。今はミスを取り返さないと。
唇を噛み締める。
「ありがとうございます。水原さんも手伝ってもらえると助かります」
「任せて」
ミスを補い合えるチーム。
なんだか泣きそうになった。


