運命だけを信じてる


「星崎課長があなたに頼んだと聞いたけど…まさか本当に忘れてるの?」


星崎課長が私に…?




ーー営業部門からの資料依頼だ。直近10年分のこの商品の売上高を調べて、推移表にしてくれ。

ーー出来上がったらそこに書いているメンバーにメールで送ってくれ。



ゴールデンウィーク前の会話が蘇り、慌ててデスクマットの下を確認した。


そこには星崎課長から渡された達筆のメモが挟まれていた。

否、私が挟んだのだ。


「すみません…」


やばい…。

血の気が引く。
今日の10時までに営業部に提出しなければならなかったのに、すっかり忘れてしまっていた。


「すぐにやります!少しお時間を…」


「はあ?」


眉間に深いシワを寄せて仁王立ちしている村井さんに頭を下げる。


「あんた、管理課に来て余計にバカになったんじゃないの。こんな簡単な仕事もできないなんて、クズよ」


村井さんには何度も理不尽なことを言われてきた。たくさんの暴言を聞き流してきたけれど、今回は確実に私に非がある。言い返す言葉もなかった。