運命だけを信じてる


乱れた生活リズムを整える間も無く、ゴールデンウィークが終わってしまった。


欠伸を噛み締めながら、午前中の業務をこなす。


明日からは未来プロジェクトに参加するため大阪出張だ。本当は呑気に欠伸をしている時間はない。


「前山さん。未来プロジェクトに持参する資料、印刷されました?」


お休み明け早々に爽やかな顔が迫る。


「い、いえ、まだです」


「前山さんの分も印刷しておきますね」


朝からテキパキと動く小牧さんにお礼を言う。


星崎課長と逢瀬先輩は朝から役員が同席する会議に参加している。私も見習い、気を引き締めて業務に臨もうと姿勢を正したところで、背後から大声で名前を呼ばれた。


「前山!資料の〆切から10分も過ぎたんだけど!早くしてよ!」


怒りを露わにして管理課に乗り込んできた村井さんに私は間抜けな返事をどうにか言えた。


「資料とは?」


村井 絢香(むらい あやか)さん。
【営業部 第1営業課】所属。
かつて私の教育係だった女性だ。