運命だけを信じてる


許可をとり、紙袋を開ける。中から肌触りの良い箱が出てきて、ゆっくりと開く。

中には、指輪が入っていた。

ネックレスやピアスだと予想していたから、意外だった。だから少し反応が遅れてしまった。


「迷惑でした?」


優しい表情で小牧さんが聞いてくれた。


細く、控えめなダイヤがついた指輪。シンプルなデザインだけれど、キラキラと光輝く。


「ファッション感覚で付けてくれてもいいし、そのまましまっておいてくれてもいいです。ただ、僕の気持ちだと思って受け取ってくれませんか」


「…ありがとうございます。大切にします」


「はい。貰ってくれてありがとう」


笑ってくれたけれど、その瞳の奥は哀しそうだった。

普通の恋人なら、彼氏からの指輪に感動して嬉し涙を流す人も少なくないはずだ。どうして私はこんな淡々とした反応しかできず、小牧さんの想いに応えるような台詞を返せないのだろう。


指輪に、小牧さんの想いが詰まっていることを知っているのに。