運命だけを信じてる


小牧さん側の椅子に置かれたジュエリー専門店の紙袋。もう少し早く話すべきだったと彼に対して申し訳なさが募る。


「星崎課長と付き合いたいですか?」


話す前と変わらず穏やかな声で聞いてくれた。私の好きな人が星崎課長と知って、心の中では驚いているだろうか。


首を振る。


「いいえ。告白して玉砕するくらいなら、私は…」


「両想いだとは思いませんか?そんな約束してくれたら、僕なら脈アリだと思うけどな」


「星崎課長はみんなに優しいから」


困っている私を見ていられず、声を掛けてくれた人だ。私でなく、他の誰かでも同じことをしたはずだから。


「こんな中途半端な状況で、僕に諦めろと言うんですか?1パーセントでも可能性があるのなら、僕はあなたの隣りに居たい」


「小牧さん……」


「最初に言った通り、あなたの恋路を邪魔するつもりはありません。だから傍に居てもいいですか?」


そっと紙袋を差し出された。



「ありがとうございます」


おしゃれな紙袋に手を伸ばした。

なぜ私は星崎課長を想いながら、小牧さんを遠ざけられないのだろうか。