ー月組ー
つかさ「………」

光佳「………」

月組は沈黙の時間が続いていた
何故ならば能力は不可能なことも可能にしてしまうモノ。なので自身の能力のコントロールをするために集中力を得ているのだ

天邪鬼「ほらそこまでだ!どうだ?」

ひかり「私もう疲れましたー!」

光佳「鬼畜…」(彼女は天邪鬼 満愛"あまのじゃく みちか"能力は 怪力を操る能力らしい。おまけに美人だし!ムカついちゃうわ!)

天邪鬼「雛野!下手ばくれるな!元気出せ!」

光佳「もう能力の授業で集中力を極めるの何回目ー?…」

雫「否、数えられないほど」

響輝「俺無効化だから鍛えても意味ない気がするんだけど…」

つかさ「ダメだ。無効化でも無効化出来ない能力があったらどうする」

響輝「そっか!さすがつかさだ!」

光佳(響輝君…笑顔も素敵……)

ひかり「まーた視線響輝君に向けてるよこの子は」

天邪鬼「ほらほらー!残りは10分か…いやーすまんな!学園長が今日は全時間能力についてやれってな!あはっ!ざまぁ見やがれ的な感じ!」

全員(笑顔で言ってるけど内容がめちゃくちゃムカつく……)

天邪鬼「まぁこの学園はほぼ天才しかいないから本当はテストしても意味ないんだけどな!あとテストってゆーのは能力テストで勉学はここでは一切しない!」

全員「おっしゃぁぁぁっ!」

天邪鬼「だが…その代わりテスト内容は鬼畜だぞ」

雫「鬼畜ババアが鬼畜って言った…」

天邪鬼「あんだと宇野宮!」

雫「すみませんでしたー(棒)」

天邪鬼「ふん…まぁ大きいテストは夏休み後だが
小テストは少しずつやっていく。みんな頑張れよ」

響輝「つかさー!一緒にトップ目指そう!」

つかさ「誰がお前と…」

ひかり「光佳ちゃん頑張ろ!」

光佳「頑張るぞ!」

ー女子寮 光佳の部屋ー
光佳「ふぁぁ…髪の毛乾かし終わったから寝ないと…あ、とかしてないや」

光佳は引き出しからブラシを取り出し 下ろした長い髪の毛を丁寧にとかして行った

光佳「この髪の毛…もう10年も切ってないや……
銀髪の髪の毛…1回ショートにしてみようかなっ!…でも似合わないかー…私は昔からツインテールという特徴がある!特徴を減らす訳にはいかん!」

光佳はベットへダイブし天井に目を向けた

光佳「……魔法…か……そうだ!試しに使ってみよう!でももし爆発とかしたらやばいし 無害なあそこに行こうっと!」

光佳はベランダの窓を開け 隣にある水道管を使い 地面まで降りていった
そこから急いで走り 学園の最も端にある 結界が貼られていて(どんな能力も封じる無効化と同じである)
※響輝作
95%の確率で迷ってしまうが帰ることは出来ると言われている大神木の所まで行った

ー大神木の間ー
光佳「おお…綺麗な大神木……ここなら!」

光佳は目をつぶり 脳内で魔法のイメージを描いた

光佳(試しに炎系でやって見るか…まず普通に焚き火みたいな炎を…)

しばらく経つと地面に赤い魔方陣が現れて そこから
普通の大きさの炎が出た

光佳「わぁっ!すごーい!すごーい!」

?「…………うるせえな…」

光佳「ん?ってぎゃぁぁぁぁぁぁっ!こ…小僧じゃない…」

つかさ「小僧って呼ぶな。ここに何しに来てる」

光佳「試しに魔法を使ってみたくて…ここ結界があるから もし爆発とか起きても周りに被害はないし…
つい…来ちゃいました!」

つかさ「あの迷いの森を抜けたのか…」

光佳「ん?」

つかさ「まぁいい。とにかく早く帰れ」

光佳「え?なんで?」

つかさ「とにかくだ」

光佳「う…うん…理由は知らないけど…分かった!
帰れって言うならダッシュして帰るのがいいよね!」

つかさ「おい待てその髪の毛で走ると…」

光佳「いったぁぁぁぁあっ!」

つかさ「髪の毛ぐらい縛ってこいよ…そんな長い髪の毛じゃあ踏むの当たり前だろ」

光佳「そうですねー…あ、輪ゴムひとつしかないや…ツインテール出来ないし…ツインテール以外できない人…」

つかさ「マジかよ…」

光佳「い…今はしょうがないからね!髪の毛…結んでください!」

つかさ「…俺だってまだ女子の髪の毛結んだことないが」

光佳「はいはいそうですよねー!女子に人気な時原つかささんなら余裕で出来ると思ったのに出来ないんですかー?えー?」

つかさ「そのムカつく言い方やめろ。…はぁ分かったから輪ゴムかせ」

光佳「うん…」

つかさ「痛かったら言えよ。殴るなよ」

光佳「さすがに殴ったりはしないわよ!」

つかさ「…白雪の髪の毛って確かに珍しいな。日本人で銀髪とかありえないぞ」

光佳「やっぱりそうだよねー…私この髪の色嫌いなんだ……」

つかさ「…なんでだ」

光佳「過去に…嫌なことがあったから…」

つかさ「…あっそ。別に俺は銀髪もいいと思うが」

光佳「…へぇ…」

つかさ「……白雪は響輝のこと好きなのか?」

光佳「ふぇっ!?急に何言い出すの!?」

つかさ「いや、雛野がそう言ってたから」

光佳(ひかりちゃーん!裏切ったなー!)「そ…そうなんだ…」

つかさ「俺も…響輝みたいに素直になってみたいものだ」

光佳「…あんたもう素直じゃない」

つかさ「は?」

光佳「だって私には普通にウザイとか言えてるじゃん。さっきだって自分の意見主張してたよ?それも素直だと私は思うけど」

つかさ「……そういうものなのか」

光佳「さぁ?答えに答えなんかないのよ」

つかさ「変な事言うな白雪は…」

光佳「変な事とは失礼な!正論だよ!」

つかさ「そうか。正論か」

光佳「なーに笑ってるのよ」

つかさ「白雪が正論とか言えるんだなってな」

光佳「それはどー言う意味よ!ちゃんと説明しろー!」

つかさ「おい暴れるな!失敗するだろ!」

光佳「えーい!だってつかさ君が悪いんでしょ!……あ」

つかさ「白雪も女っぽいところ出すんだな。そして名前呼びか。しくじったなバカが」

光佳「普通出すわよ!てかバカじゃないし!」

つかさ「俺はずっと白雪って言い続けるからな」

光佳「ちょっと!私だけ名前呼びしちゃったのずるい!つかさ君も名前呼びしろー!」

つかさ「はい二回目」

光佳「ぬわぁぁぁぁっ!小学校の頃の癖がぁっ!」

つかさ「また暴れるなよ!おい!髪の毛引っ張るぞ!」

ー数分後ー
つかさ「ほら、出来たから」

光佳「あれ!?どうしてツインテールになってるの!?」

つかさ「宇野宮から女子力アップとか変なこと言われた後に強制的に貰わされた リボンで結んだ。男の俺がつけても意味ねえから白雪にやる」

光佳「赤のリボンかー!こういうの初めて!…ありがとう。このリボン…気に入った」

つかさ「感謝するなら宇野宮にしろ」

光佳「そうだね〜のほほ〜」

つかさ「笑い方気持ち悪いっつーの…」

光佳「わざとザマス〜」

つかさ「今度は婦人かよ…本当白雪はなんでも出来そうだ」

光佳「へへへ〜ありがとね〜」

つかさ「すぐ調子に乗ってる…いつか馬鹿にされるぞ?」

光佳「馬鹿にされたら馬鹿にするまでよ!」

?「ミつケタ……湊川 満空!」

つかさ「光佳ぁっ!」

つかさは一瞬で後ろを振り向き 光佳を地面に倒した

?「チッ…外した…」

光佳「えっ!?つか…つかさ君!私達まだ付き合ってもないのにこんなことは…あれ?どしたの?」

ポタッと光佳の頬に赤い液体が付き 今どのような状況なのか理解した

光佳「つかさ君!つかさ君!大丈夫!?何か刺さってる!?…抜かないと…こ…これは…ナイフ?」

光佳はつかさの背中に刺さっているナイフを抜き
ハンカチで血を拭った

光佳(ダメだ…止まらない…誰なの…やった人は………周りには何も無い…誰かが…私を狙ってた!?…もしかして…また…ううん…今はつかさ君の血をどう止めるか…このままじゃあ大量出血で死んじゃう…そんなのはダメ……そうだ…魔法で治すイメージを……治れ…治れ治れ治れ治れ治れ治れ治れ!)

魔法陣が現れる気配は無く、ただ地面が赤くなっていくだけだった

光佳「つかさ君…なんで私をかばったの…こんな売り物にしかならない髪の毛しか存在価値のない私を助けても…意味なんかないのに…」

つかさ「馬鹿言うな………」

光佳「つかさ君…生きてるの?…」

つかさ「こんぐらい能力使えば治る…それよりも大丈夫か?…」

光佳「馬鹿じゃないの?…自分をもっと大切にしてよ…人間の体は強くないんだから…」

つかさ「別に、俺は大切にしてるさ」

光佳「…本当意味わかんないよ…本当に心配しちゃったんだから…」

光佳からは涙が溢れだしてきて 顔を隠すように手で覆った

つかさ(初めて見た…俺のために…泣いてくれる人)

ー8年前ー
時原母「響輝!つかさ!」

時原父「大丈夫か!?」

椿(13歳)「響輝!つかさ!」

響輝(6歳)「大丈夫だよ…お父さん、お母さん、椿」

つかさ(6歳)「…………」

医師「響輝君は脳出血でしたがつかさ君は奇跡的に
骨折だけで済みました」

時原母「よかった…響輝。頭痛くない?」

時原父「響輝。何か必要なものがあったら言えよ?」

椿「お姉ちゃんも何かやれることがあったら言って!」

つかさ「…あ…母さん…父さん…姉貴…」

時原母「何。つかさ。あなたは軽傷でしょ?全く、なんで完璧な響輝が重傷なのかしら」

椿「ママ!言っちゃ…」

時原父「確かにな。つかさが重傷だったらよかったのにな」

つかさ「…ごめんなさい…」

響輝「…つかさは悪くないよ。ぼけーってしてた俺が悪いんだ」

つかさ「うん…」

ー大神木の間ー
つかさ(俺は響輝に欠けてるものがある…それは素直…これだけだ。響輝は勉学はもちろんスポーツなど色々な所に置いて完璧だ。性格もまぁ完璧で 人との繋がりも完璧…俺は人付き合いが苦手だ…だから今まで響輝と差をつけられてきた…親からも…姉貴からも…俺のために思ってくれたことは1度もない。
だけど…初めて目のあたりにした…目の前に 心配してくれた銀髪の少女がいたから)

光佳「ふぇっ…いっ…」

つかさは光佳を自分の方へ引っ張り 頭に手を乗せた
そうすると光佳は手を下ろし 言った

光佳「つかさ君は人のことを考える優しい人なんだね…でもちゃんと自分のことも守ってね……」

つかさ「ありがとな」

光佳「………ってぁぁっ!ごめんね!私ったら赤ちゃんみたいに甘えちゃって…そういうつもりじゃなかったんだけどうぅ…恥ずかしい…」

つかさ「白雪も自分のこと否定しなくていいから」

光佳「うん…分かった…あ…あと…白雪よりも…光佳の方がいい…あ、勘違いしないでね!助けてくれたお礼だから!…てかいつの間にか私つかさ君って自然に呼んでるし!あーもう!馴れちゃった…」

つかさ「…光佳、帰るぞ」

光佳「え?でも寮の方角違うし…」

つかさ「また変なことあったら困るからな」

光佳「……うん…ありがと…」

ー迷いの森ー
つかさ「…………」

光佳「…………」(どうしよう会話の内容が思いつかない!明日から気まずくなりそう…てか後ろから攻撃とか…来ないよね…炎でここら辺明るくする?その方がいいかな…でもまだあのナイフ使いがいて位置がバレたら怖いし……辞めようかな…)

光佳はつかさの制服を掴み 怯えているような顔でちんまりとしていた

つかさ「大丈夫だ。気配を見つけようとしてるが何も無いから大丈夫だ」

光佳「う…うん…」

ー女子寮 外ー
つかさ「ここを降りてきたのか…登るの大変じゃねえか?」

光佳「ヘーキヘーキ!登り慣れてるから!じゃあね!」

つかさ「あぁ」

光佳「あっ…あと…ありがとう!…もしこの部屋にいたら私殺されてたのかもしれない…」

つかさ「……この寮なら攻撃された時にAP(abilitypolice)が来るから大丈夫だ」

光佳「そっか…おやすみ!」

つかさ「あぁ」