雨色のてるてるぼーず

なぜか栗田さんの前だと素直になってしまう。





照れただけと言うと栗田さんはほっとしたような顔をしてまたミルクティーを飲み始めた。





だんだん緊張もほぐれてきて栗田さんに聞かなければいけないことを思い出した。





「栗田さん。あの…」





何故こう上手く話せないのか。自分が嫌になる。





「ん？どうしたの？」





「あの。えーっと。連絡先をいただけませんか？」





一瞬びっくりしたような顔をしたあとすぐににこやかに




「いいですよ〜。じゃあ私にも竹中くんのを教えてください！」





連絡先を見せてもらう時、栗田さんが近づいてさらさらな髪の毛からいい匂いがした。





中学校の頃にもたくさん女はいて、物理的に距離が近くなることは多かった。





女の方からくっついてくるからだ。





その時に鼻をかすめた髪の毛の匂いはなにかきつい花の匂いがし、気持ち悪くなった。






しかし栗田さんはそんな香りではなく、シャンプーやトリートメントの香りだった。