果報者

冷たい部屋に俺の声だけが響く。





「紺野さん。
奥さんのお腹、触ってみてください。」


「お腹ですか......?」





焦る俺とは対照的に
先生は冷静にそう告げた。



意味も分からず
俺はベッドに眠るまこのお腹に
そっと手を乗せた。



ひんやりとした、
布団の感触だけが伝わる。







「紺野さん、おめでとうございます。







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奥さんのお腹には赤ちゃんがいます。」







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膝から崩れ落ちた、
まこのお母さんの姿だけが鮮明に見えた。