果報者

余命を宣告された日を思い出す。




俺と志乃さんに告げられた、
彼女の病気の正体。




覚悟しなあかん時が
来たようやった。





それはまるで波のように襲いかかって




俺はその波に
ただただ飲み込まれるだけで






”ガンは脳に転移しています”





それが現実になるのを
目の前で見てることしかできなくて





”脳って..........
手術で取り除けないんですか........?”






どんどん蝕まれていく彼女を
見てることしかできなくて






”脳のつくりは非常に複雑なっています。
メスを入れられないところまで
広がっています”





淡々と話した先生に今更、また、
嫌悪感が襲ってきて






”寿命は3ヶ月です”






でも




3ヶ月を過ぎても
生きている事実がここにはあって。