心に一滴の雫を。

〜〜〜

十分後ー。

やっと入学式が始まった。

隣の席に座ったのは男の子で、声をかけてくる様子も無くて安心して過ごすことができた。

これが女の子だったら面倒なことになっただろうな、と思うので本当にラッキーだった。

しかしー…。

式が終わり教室に向かおうとしたとき、例の隣の子に何故か腕を掴まれてしまう。

「…なんですか。失礼ですよ」

反射的に振り払おうとするも、力が強くてそれができない。