「ゼロ。」


「ふふっ。時間切れだ!私もかーえろっと。」


そう言って今度は俺の腕からスルりと抜け出した。


さっきまで離れたくなさそうにしてたくせに、コノヤロウ…。


まぁいいか。


俺も帰ろ…。


「あっそ。じゃぁな。」


そう言って俺は背中を向けて歩き出した。


「あ、送ってくれてありがとう!」


はいはい。


俺は後ろを向いたまま、片手を上げて答えた。



「また明日ね!寛人!」


ガチャンと扉の閉まった音の方へ俺は振り返った。