裏表Girl



そして私は緩められた手をパッと抜き取り、階段を駆け下りた。


「はぁ〜、やっぱりやべぇよな…。」


と、蓮見くんがそんなことを呟いていたが、私の耳には届かなかった。


✱ ✱ ✱ ✱ ✱ ✱


「あれ?志乃ちゃん!」


「雛…」


「志乃…ちゃん?」


分かってる。


雛が何を言いたいかなんて…。


だって私の熱は今、顔に集中している。


「蓮見くんと何かあったの?」