雛はボソボソと独り言のように呟いた。 ✱ ✱ ✱ ✱ もう11時…。 海に行く前に私たちはデパートへ立ち寄った。 「見て!志乃ちゃん♪」 水着を試着してクルッと回ってみせる雛。 「はいはい、雛らしいよ。可愛い。」 さっきから雛のファッションショーが始まっている…。 「でもあっちも〜」 「もういいから、早く決めなさい。」 私はお母さんのような口調で雛にそう言った。