たくさんの恋の魔法(短編)

「だから、夜吹がモテるのが気になる、って言ったの」



あたしは親友の紗枝(さえ)と一緒に学校近くのカフェに来ていた。



「キャーーッ!それって嫉妬!?やっと自分の気持ちに気付いたの!?」


「いやなんの話。あたしはその騒がれる理由が気になるの。別にあたしが夜吹に嫉妬とか絶対にないから」


「なんだー。つまんないのー」



ラブ的な話でも楽しみにしてたのか、紗枝は退屈そうにストローでドリンクをかき混ぜた。


氷溶けちゃうよ。