たくさんの恋の魔法(短編)

夜吹って現役バスケ部だし。



「あ、ほら夜吹。もうすぐ昼休み終わるからさっさと行くよ」


「…へーへー」



廊下を並んで歩きながら何となく気になって、チラッと夜吹を盗み見る。


夜吹はポケットに手を入れたままあたしの隣をスタスタと歩いている。


こういう時は、拗ねてる時だ。




「…ポケットに手突っ込んで歩くと危ないよ」


「………ほっとけ」