たくさんの恋の魔法(短編)

「あっ、おはよう紗枝!」


「うん、おはよう」



次に声をかけられたのは、親友の桃香。


ひと通りクラスメートにも挨拶をすると、わたしは席についた。


しばらく待つと担任の先生が入ってきた。



「じゃ出席とるぞー。斎藤は今日も遅刻か?」


「いや、いますよー」



先生の呼びかけに答えるように入ってきたのは、圭吾だった。