たくさんの恋の魔法(短編)

やめられればいいのに、全然やめられない。


…と、考えたらきりがないので、わたしはそのまま圭吾の家から出て学校へ向かった。



「あっ、おはよ倉田さん。斎藤は?」



教室につくと、真っ先に深沢くんに声をかけられた。


わたしが"まだ来てない"という意味で首を振ると、深沢くんも肩をすくめて苦笑した。


"まったくやれやれ"みたいな感じだ。



「そっか。ありがと倉田さん」



深沢くんはなぜか圭吾の友達で、よく圭吾ん家にも遊びに来ている。