たくさんの恋の魔法(短編)

「……とにかく、おばさんが朝ご飯用意してるって」


「おー」



圭吾はだるそうに返事をすると、もう一度布団をかぶった。


…また寝る気か。



「ーーはーーーーっ…」



ドアを閉めると、わたしは長いため息をついた。



「どうして、あんなの好きなんだろ……」



何年も続いている、不毛な片想い。