たくさんの恋の魔法(短編)

私の疑問を察したのか、深沢くんが答えてくれた。



「資料取りに行かされて、ここ通ったら町田さんが座り込んでたから」


「そ、そうなんですか…」



深沢くんも磯村くんに負けないくらいのモテっぷりで、名前は私も知っていた。


すると遠くから、深沢くんを呼ぶ声が聞こえた。



「おーい、奏多ー。高センが早く来いって怒ってたぞ。…はーダリー。保険室で休もっかな…」