たくさんの恋の魔法(短編)

「え…ハンカチ…?」



目が赤いのも忘れて、自然と顔を上げた。


そこには、磯村くんや宮野さんと同じクラスの男子、深沢奏多(ふかざわかなた)くんがい



「…ん、あげる」


「あ、ありがとう、ございます…」



おずおずとそれを受け取ると、私は目に当てて涙を拭いた。


深沢くんにぴったりな青色のハンカチだ。


でも、なんでここに深沢くんが……。