たくさんの恋の魔法(短編)

毎日やっているバスケのシュート対決で、宮野さんに笑いかけている磯村くんに私は惹かれたから。


そう思うと、自分が失恋したという事実に現実味が帯びてきた。



「ーーーっ……思ったより、辛いな…」



ジワ…と涙が浮かんでくる。


泣きたいわけじゃないのに、ポロポロと涙は流れ続ける。


私、こんなになるまで涙ためてたのかな…。


そして私は、しばらく廊下の隅で泣き続けていた。


するとどのくらいの時間が経ったのか、目の前に何かが現れた。