ーーチクンッ



「え……」



思わず制服の上から胸を押さえる。


今、チクンッていった…?


…なんで?



「桃香、どうかした?胸なんか押さえて」


「あ、ううんっ。なんでもない」



あわてて紗枝の方を向いた。



「……自分の気持ちに気がつくのは、時間の問題かな」



紗枝がぽそっと呟いた一言は、あたしの耳には届かなかった。