校長先生
【皆さん、おはようございます。】
校長先生が放送を通じて挨拶をする。
少し間を取っている。
きっと返事を求めているのだろう。
だが、新しいクラスに緊張しているのか
誰一人返事を返さなかった。
校長先生
【今から始業式が始まります。
先生の指示に従って廊下に並び
体育館に来てください。】
先生
『5年A組のみんなー
廊下に名簿の男女別2列で並んでー』
明るい女の先生が私達に声をかけ、
私達は並び 体育館へ向かった。
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校歌を歌い、
長い校長の話を右から左へ聞き流し、
転校生の紹介があった。
今回は4人もいて、1人ずつ紹介していた。
最後に紹介された男の子は、
優真の言ってた5年A組へ来る子だ。
私は目がとても悪いため、
ステージに上がっているその子の顔は見えないが
声的に男の子だった。
幸真
『廉田 幸真(れんたこうま)です。
よろしくお願いします。』
幸真君で紹介が終わり、
そこから担任の先生の発表。
学年で人気の女の先生が当たったので、
私と彩葉、クラスのみんなは大喜び。
1年間楽しくなりそうだな。
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教室に戻ると、
すぐ担任の先生の福田先生が入ってき、
その後ろにさっきの転校生がいた。
福田先生は一通り挨拶を終えてから、
転校生の紹介をした。
福田先生
『さっきの全校集会であったように、
私たちのクラスに転校生が来ました。
自己紹介、どうぞ』
幸真
『廉田幸真です。よろしくお願いします。』
幸真君がお辞儀をすると、
クラスから拍手が起こった。
その様子を見た幸真君は、
安心したようにぱっと笑顔になった。
私はそこで時が止まったようだった。
