学校に着いた私は 、 足早に下駄箱に行く。
理由は一つ、
下駄箱前に張り出されているクラス表を見るため。
周りの下級生より、早足の私の肩を掴んだのは
彩葉(あやは)
「おはよう」
いつも下校してくれる彩葉だった。
詩音
「おはよう」
彩葉と私は、
案の定混んでいる人の群れに
静かに入ってクラス表を見る。
彩葉
「詩音ちゃん、同じ!
5年A組だよ!」
詩音
「え、本当 ?」
彩葉
「優真(ゆうしん)も一緒じゃん(笑」
詩音
「えー(笑」
優真は小学校入った時からずっと一緒の男子。
優真とは気軽になんでも話せられる
私の唯一の男友達だ。
私達はクラス表から離れ、
それぞれ自分のクラスの番号の下駄箱に
靴を入れ、春休み中に綺麗にした上靴を履く。
詩音
「先生誰かな?」
彩葉
「どうだろ… 優しい先生だったらいいな!」
詩音
「えー面白い先生がいい(笑」
彩葉
「じゃあ優しくて面白い先生ね!(笑」
そんな話をしていると5年の階、2階に着いた。
教室に入ると、クラスの半分の人は来ていた。
黒板に貼られている紙に書いてある
自分の席に荷物を置き、
彩葉の方へ向かおうとすると
優真
「おっはー」
上履きケースで軽く頭を叩いてきたのは優真だ。
詩音
「朝から痛いんですけど。」
優真
「悪い悪い、(笑
たたきがいのある頭だなーって」
詩音
「あのねえ…」
彩葉
「朝から仲いいね〜(笑」
いつの間にかこっちに来ていた彩葉。
私たちが話してると
いつも彩葉は茶化す。
詩音
「彩葉!!(笑」
優真
「そういえば知ってる?二人共」
詩音
「なに?」
優真
「このクラスに新しい転校生来るらしいよ!」
彩葉
「え、そうなの?」
優真
「さっき名簿表見たら、
最後に知らない名前あった」
詩音
「へー、」
そこでチャイムが鳴った。
私達はチャイムと同時にドタバタと席に着く。
気が付くと周りには1年間共に暮らす
大切なクラスメイトが転校生以外全員揃っていた。
