プラチナのネックレスを贈ってくれたあの人は、今どうしているだろう。
長くジュエリーケースに眠ったままのネックレスを取り出して、鏡の前で首に飾った。
忘れていた顔と、華やかな時を過ごした思い出が一気によみがえる。
初めから別れることが前提の契約交際だった。
約束どおり契約期間が終わり、笑って別れた。
じゃぁ……
そう言って後ろを向いたあなたをしばらく見送ったあと、私も反対方向へと歩き出した。
私は後ろを振り向かなかった。
ねぇ あなたはどうだった?
私を振り向いた?
まさかね……
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