さとやは私が泣き止むまでずっと待っていてくれた。

「…それで?なんで別れようって言ったんだ?」

泣き止んだ私を見てさとやが私に問う。

「…す」

好きな人という前に涙が零れそうになって言葉を止める。

「…す?」

さとやが聞き返してくる。

私は手を握り、ゆっくり言葉にする

「す…きな人が出来たから。」

その言葉を聞いてさとやは固まった。

「好きな…人…。」

さとやは私から離れてうつむいて

「誰?」

と聞いてきた。

「誰って…笹山さんでしょ?」

その答えにビックリしたのかバッと私の顔を見る。

「…そ、そうか。女の子か…。ってか、なんで疑問系?」

目を泳がせながら言うさとや。

「?…女の子だよ?疑問系って…違うの?」

「違うのって…何が??」

「え?だから、笹山さん。」

「笹山さん??の何が違うの?」

「だから!笹山さんのこと好きなんでしょ!ってことよ!!」

「え?好きじゃないよ?好きなのは葉子だろ?」

「え?」

「え?」


…間。