「豚カツが食べたいな」

泣きそうになる私の意識をさとやが戻す。

「お、いいね~!って、また私の所に食べに来るの?」

「当たり前だろー!なんたって俺はお前の彼氏様なんだからな!」

ニカリと爽やかな笑顔を私に向ける。

今それを言うの。

私のことなんて好きじゃないくせに。

さっきまで私じゃない人を見つめていたのに。

でかかった言葉を飲み込み私はまた嘘の笑顔を向ける。

「彼氏様、そういうなら明日は豪華なものでも奢ってもらおうかしら。」

「げ!墓穴ほったー!」

と、二人でクスクス笑いながら私の家とかえって行った。