決められた宿命

翌朝
私は目が覚めるとすぐに支度をして
光くんのいる崖の所まで歩いて行った。
でも、いつも私より先にいる光くんは
いなかった。
(早すぎたかな。ここで待っとこう)
でも、しばらく待っても光くんは来なかった
(おかしいな.,.いつもならこのくらいに来るのに....)
すると、光くんがやってきた。
「遅くなってごめんな」
「大丈夫だよ」
「ちょっと、甲賀で話し合いみたいなのがあ
ってさ」
「そっか」
「なぁ、小鳥が伊賀にいた時どんな事をして
たんだ?」
「どんな事って?」
「例えば、修行とか」
「私がいた時は男女で別れて修行してたの
私もくノ一として葵ちゃんと一緒に
修行してたんだけど、失敗が多くて...
その度に葵ちゃんが助けてくれた。
でも、伊賀の里長の命令で優秀な忍を
育てる為に才能のある忍を集めて
修行する事になって葵ちゃんと湊真くん
遙真くんの3人が選ばれたの。
それで今までよく遊んでたのに遊べなくな
って久しぶりに会えたと思ったら
外見だけじゃなくて中身も変わってて
それで4人で久しぶりに山に行ったら
知らない忍が沢山、現れて私は怖くなって
逃げようとしたら、葵ちゃん達が大人の
忍を感情ない目で一瞬で倒すから
怖くなって、そのまま抜け忍になったの」
「そうだったのか....」
「あ、ごめんね。こんな暗い話....
修行の事だけ言うつもりだったのに」
「大丈夫だ。辛かったんだな」
と言って光くんは慰めてくれる。
すると、ふいに私達の後ろから声がした
「小鳥ちゃん...」
振り向くと葵ちゃんがいた。
光くんは私を後ろに隠しクナイを構える。
「何の用だ」
「何も用はない。」
「小鳥に用があるんじゃないのか?」
「今の私の任務は抜け忍の始末じゃないし
そんな事はしない。」
葵ちゃんは冷めた目でこちらを見ながら言う
すると、奥から遙真くんが出てきた。
「おーい、葵。何してんだよ」
そして、視線をこっちに移し
「あー、抜け忍、と甲賀の忍が愛瀬ですか
へー」
「遙ちゃん、忍にとって恋は禁忌。
甲賀の忍が恋する訳ないじゃない。」
「確かにそーだな、ほらもう行くぞ
湊が怒るぞ」
「はいはい、じゃあまたね抜け忍さん」
「なんなんだ?あいつらは」
「わからない...」
「今日は早めに帰った方がいいかもな」
「え?」
「暗くなってからだとあいつらの方が有利に
だろ、危ないしな」
「そっか。」
「送っていく」
「ありがとう」
と言って光くんの顔を覗くと何故か
暗い顔をしていた。
「光くん?大丈夫?」
「ん?ああ、ごめん。行くぞ」
そういって光くんは送ってくれた。