愛されたかった。

幸せになりたかった。


周りから見れば私は恵まれているのかもしれない、愛されているように見えるのかもしれない、幸せそうにみえるのかもしれない。
でも違う、私の思い描いた幸せは、愛され方はこんなんじゃない。違うんだ。


ただ生きてるだけで褒めて欲しかったし、愛されたかった。

これは、「メンヘラ」と言われた女の子の終わりの物語だ。




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最初に伝えたいのは、まず私はメンヘラなんかじゃないよ。手首は切らない(リスカ)し薬の過剰摂取(OD)なんかしない。

ただただ、自分の望む愛され方をしたい女の子なんだよ、ってこと。

私と同じような人結構いるんじゃないかな。

だけど、
「毎日連絡取りたい」
「できるだけ会いたい」
「愛されたい」
っていうと、大体の人から「メンヘラだね」って言われちゃう。

なに、みんなは別に好きな人と毎日話したくもないし、会いたくもないってこと?
すごいね、それほんとに好きなの?なんのために付き合ってんの?自分のものにしちゃえば満足するタイプ?死んでくださーい。って感じなんだけど。



全くほんとにみんなの「好き」を疑っちゃうよ。


愛されたかったから、求められたら応えたし、好きだと言われたら好きになった。
でもいつも、最終的には私だけになる。


連絡取りたいのも、声を聞きたいのも、会いたいのも、一緒にいたいのも、私だけ。


聞き飽きた口だけの「好きだよ」に笑顔で「わたしも」なんて返す気力は途中から無くなる。

それでも身体を求められては応えて、自分を傷つけてまで得られるものはいつだって悲しいほどに「都合のいい女」の称号。

ありがとう、都合よくしてくれて。ありがとう、私の都合のいいように動いてくれなくて。ありがとう、いっぱいいっぱい感謝するから死んでください。


SNSには幸せオーラ万回の言葉で綴って嘘で取り繕った現実の幸せもたった一言、「お前のせい」で全部あほらしくなる。


ねえ、好きな人を放ったらかして数日自分だけのことを考えて行動するのってどんな気分?

楽しい?嬉しい?幸せ?


溜まったら、会いに来て吐き出してさっさと帰っちゃう自分はどれほどいい男だと思ってんの?


すごいね、ずっと好かれてる自信はどこから湧いてくるの?あと、私より顔もセンスもだいぶ下なのに調子に乗って私より上みたいな態度を取るのってどうやったらできるんですか?教えてください(笑)


知ってるよ、君は私が居なくても生きていけることなんて。
私は君が居なくても生きていけることなんて。


でももう、疲れたから。都合のいい女演じるのも、「お前が悪い」って言われるのも、「メンヘラ」だと言われるのも。


全部ほんの少しの希望から捨てきれなかったけど、もう要らない。大丈夫。もう要らないから。


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愛されたかった。


幸せになりたかった。

「来世は無くていいや、もう要らない」
最後に呟いた言葉と一緒に、落ちていく、スローモーションのように、落ちていく。「ばいば…」


言いきれなかった言葉は赤い色と一緒に流れていく、サラサラ?ドロドロ?ああ、そんなことはもうどうでもいいか。


私を都合のいい女にしてくれた人は、これからもきっと笑って生きていくんだね。


ねえ、君は私に愛されて幸せだった?嬉しかった?


ああ、そんなことももう気にしなくていいのか。



もう二度と、何も気にしなくていいのか。


よかった、よかった、やっと、やっと…。



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呼吸が止まる前に、意識を失う前に、流れた1粒の雫はどんな意味があるのだろう。


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(やっと幸せになれるね。)



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えんど。












ねえ、やっぱり私愛されてみたかったよ。