びっくりしたー!
あのタイミングで、名前呼ぶ?今まで、「おい」とか「お前」だったのに聞き分け良すぎでしょー!!しかも、自分で人の名前覚えるの苦手と言っておきながら!
ベッドに置いてある、大きな抱き枕をバシバシと殴る。この胸の高鳴りは、中々なつかない猫を手なずけたあの快感と似たものなのだろうか。
「しかし、どこにいてもあやめはモテるな~」
今まで、高嶺の花であるあやめに近づきたいと、協力依頼を申し込んできた男子は数知れず。
今回も中学時代と同じようなことが起きただけだ。少し、あやめに申し訳ない気持ちを心に持ちながら、咲は眠りについた。