あなたの青 わたしのピンク

窓から洩れる明かりがシーツのしわに影を作る

動かなくなったハルの隣りで愛果はハルの顔を見つめていた

明日からまた暫くハルに逢えなくなる

その寂しさが小さな不安となって愛果の心に

小さな波紋を広げる

それ以上にようやくこうしてハルに逢えた嬉しさで

愛果の心は満たされていた

ハルが動かないのを良いことにハルの横顔を見つめる

ハルの髪からは、先ほどまでライブの為にしていた

メイクの香りがしていた

セットの為に巻いてカールのかかった髪を

指に巻いてハルの髪を楽しむ

日本人の割には筋の通った鼻を中指の腹でそっと撫でると

くすぐったく感じたのか、イタズラをする愛果の右手を

ハルの左手が捕まえた

「イタズラ禁止。」そう言って愛果の顔の隣りに

ハルの顔を近づけた

愛果はにっこり笑ってごまかす

「ごめん、退屈だったかな。」そう言って愛果を心配した

先ほどまで汗を流しながらステージの上で演奏していたのだもん

ハルは疲れているはずだ

「ごめん、疲れているのに。」そう言って愛果はハルに謝った

ハルは左手を左に引いて愛果を自分の胸に引き寄せた

愛果はそのまま再びハルの腕の中に落ちていった