あなたの青 わたしのピンク

ツアーの初日ということもあって

ライブハウスには沢山の花束が並べてあった

女性スタッフが気をきかせて小さな花束にして

帰り際に愛果にわたしてくれた

花束に混じったユリとバラの花の香りがハイヤーの中に広がっている

愛果はその花束が嬉しかったみたいでハイヤーの中でも花を離さず

見つめていた

そんな愛果が俺は愛しくて、ちょっと花束に嫉妬をした

彼女に構って欲しくて愛果の顔に掛かる横の髪を

彼女の耳にかけると彼女の顔を見つめた

俺の仕草に笑顔で俺を見つめ再び花束を見つめる

「スタッフの皆さんが作ってくれたものだから嬉しくて。」

そう愛果は言った

俺は自分の気持ちを愛果に悟られない様に興味のない曖昧な返事を返す

「明日は飛行機だ。」

愛果さん、俺は明日遠くに行っちゃうよ

そう、さりげなくアピールをした

愛果があ、そうだった。とようやく俺に話しかけてきた

「明日の準備大丈夫?。」心配してくれるのが嬉しくて

素早く愛果の頬にキスをした

愛果は驚いて目を丸くしたが嬉しそうに微笑んだ

もうずっとこうしたかったことがようやくできた

人目を気にせず愛果と一緒にいるということ

彼女に触れられるということ

彼女の左手の薬指にはめられた指輪を、繋いだ手で確かめながら

俺の心は幸せで満たされていた