あなたの青 わたしのピンク

袖に戻った皆は興奮して愛果とハルをからかったり

祝福の言葉をかけてくれた

そして二人きりにする為にみんな自分の仕事を始めた

バンドのメンバーは舞台に戻り舞台にライトが灯ると

ライブの後半がスタートした

愛果はハルの手を握りしめているのがやっとで

舞台の袖でハルを見つめる

握られた手を顔に近づけたハルは愛果を落ち着かせるために

愛果の手に唇を重ねた

そうされて愛果はやっと大きなため息をついてハルの瞳を

見つめた。

「残念だけどフロアには戻れないよ。ここでライブ見ていてくれるかな。」

そう言われて愛果は自分の立ち位置を改めて確認した

フロアには音楽を楽しんでいる人たちの笑顔があふれている

愛果が初めて見る景色だった

舞台の袖は演奏者の姿は良く見えたが舞台の全体を見ることはできず

音もどこかちぐはぐだ

「話はあとでね、文句なら全部聞くから。」

そう言うとハルはニヤリと笑って愛果の手を強く握りかえした

「ようやく愛果を俺のものにできた。」

ハルはそう言って嬉しそうに微笑んだ

その笑顔が素敵だったので、愛果はハルの笑顔に見とれてしまった

ハルは愛果にステージに戻るねと言うと

愛果の手をもう一度強く握り、ステージへと戻っていった

残された愛果はハルの手を握りしめていた手と

小さな箱をぎゅっと握りしめ

ハルがスポットライトを浴びて演奏するステージを

見つめ続けた