あなたの青 わたしのピンク

突然のプロポーズと祝福の歓声に包まれた愛果は

どうして良いか判らずハルの胸に顔を埋めることしかできなかった

指輪の入った小物入れを離さない様に

両手でぎゅっと握りしめ

人の流れに身を任せ、ハルに従って舞台に上がると

ようやく顔をあげハルを見上げる

何時もの優しいハルの笑顔と初めて受けるスポットライト

そして鳴りやまない歓声を受け自分の立ち位置を心の中で

確認する。

言葉を失っている愛果に少しイタズラを思いついた少年の様な表情を

浮かべ、顔を愛果の耳元に近づけて囁いた

「愛果、もうあっちには戻れないから覚悟して。」

それだけ言うとまた愛果を見つめた

そして観客席に目線を移す

ハルと同じ様に観客席を見ようと顔をあげると

ライトの熱が顔を照らした

同時に瞼を閉じないと瞼を開けない程の明るさで

視界が真っ白になる。

目が灯りに馴染むのを待って瞼をゆっくりと開けると

そこには愛果とハルの婚約をまるで自分の事の様に

祝福して興奮しているファンの人達の顔があった

さっきまで愛果の前で楽しそうに話をしていた二人連れの

彼女たちも嬉しそうな笑顔で私達を見つめた

仕事の癖で初めてあう会う人にはお辞儀をしてしまう愛果は

反射的に腰を曲げ、頭を下げた

同時にハルと繋いだ手がハルを引っ張りハルも一緒に

頭を下げた

すると会場から暖かい拍手が沸き上がった

愛果もハルも頭をあげ、会場を見渡す

誰かがおめでとうと声をかけてくれた

愛果はお礼を込めて声をする方に躰をむけて

頭を下げる

そんな事を数回繰り返すとメンバーがハルにマイクを渡し

ハルが話始めた