俺はこの曲にpureと名前をつけた

そして

次に愛果が来るライブで演奏することに決めた

このことは極秘で進めることにした

近頃はSNSで簡単に情報が拡散されてしまう

この曲は愛果への最初で最後のプロポーズにしたかった

誰にも演奏したくない

彼女の為だけに演奏したかった

その為

演奏はソロで行うことにした

初めてのワールドツアーの準備を進めながら

その合間を使い演奏のアレンジや

練習をした

この曲の練習をする度

ツアーの準備でどんなに嫌なことや

悲しい事があっても

俺はその度前を向いて立ち向かっていくことができた

その忙しさの中で

愛果との寝る前のラインでの会話が

一番の癒しの時間だった

ラインを終えた一人の部屋

ベットへ横になりこれまでの事を考える

正直今の暮らしがこの先どうなるか全くわからない

自分自身が一人で生きていけるのか

全く判らない

それが愛果を東京に呼ぶことができない一番の理由だった

今日もこのライブの後

海外へ演奏に行かなくてはならない

一人彼女を東京へ残しておくより

両親の近くなら俺が安心だった

そう思っていたこの数年

けれど

このツアーを最後まで無事に終えることができたら

少しは愛果と向かい時間ができるかもしれない

今は自分の活動について

全てが初めてで全てを一人でこなさなくては

誰かに頼んだり

仕事の進め方について

手を離すということができないでいる

そんなことも

明日からのツアーが最後まで行うことができたなら

音楽家として彼女と生きていく術が手にいれることができる

俺はそう感じていた

そしてそれが俺を大きな喜びで包んでくれたのだった