ゴールデンウイークも半ばの正午

東京は春のまばゆい光に溢れ

駅舎を出ると一瞬眩暈がした

以前東京に遊びに来た時は

工事で入れない場所や通ることの出来ない場所が多くて

結局駅の内部をうろうろして疲れた記憶しかなかった

おまけに使い慣れないナビはあちこちを動くので

正直泣きそうになって

帰ろうかと真剣に悩んだ

きっとハルに会えなかったら

帰っていたに違いない

それくらいハルが恋しかった

そして今も


ハルが名古屋から東京に出て今年で三年目の春

ハルが旅立ったあの日

一緒に行きたい衝動を抑えるのに必死だった

今も毎日ラインは欠かさない

朝起きてから寝るまで

彼がいて私がいてそう、彼は私の一部だ

勿論彼にはそう話したことはない

今日も新幹線の中で先ほどまで

ラインで話をしていた

仕事中はなかなかラインもできないから

嬉しくてついだらだらと

彼へメッセージを送ってしまう

だから今回もとても安心だった

「ATMってどこにあるかな」

新幹線のなかでハルに聞いておいた

信号を越えて最初の地下街の入り口を降りたところ

何処にもATMのマークがなくて

半信半疑で教えてもらった階段を下った

入口は少し使い古した感じがしたが、少し進むと

綺麗な地下街へと続いていた

暫く道沿いに歩くとATMは確かにあった

急いで用事を済ませ、ホテルのある新宿へと移動する前に

昼食を済ませる為、喫茶店へと入った

インド人と中国語鉛の中国人がウェイトレスをしているお店で

メニューにインド人の作ったカレーがおススメと書かれていた

早速赤いインドカレーを注文する

注文の品が運ばれて来るまで

早速ラインを開いた

ハルに無事に到着した事と

迷子にならずに済んでることの報告だった