あれは確か、小さい頃にお母さんと
雨上がりに買い物に出掛けたときのことだった。


「ママ!あれみて!あれ!」


「うふふ、あれはね、虹っていうのよ」


「にじ?」


「そう、虹。
雨が止んでお日様が出てくるとね、運が良いときにああしてお空にきれいな虹が架かるのよ」


「へえー」


生まれて初めて見た虹。


大きくて綺麗な七色の橋は、


まるで空の彼方にまで続いているようだった。