勉強合宿が終わり

家に着いてベッドの中。

目を閉じてあの夜のことを思い出していた。

あの後、田島くんは何もなかったように
していたけれど

私はずっと田島くんのことが気になって仕方がなかった。

目を開けて右手で蛍光灯にかざした
古ぼけた写真を見つめる。

夜空の下で笑うふたりの幼い子供。

小さかった頃の私と初恋のあなた。

『早く私のことを思い出して
会いに来てよ。

このままじゃ私、本当に田島くんのことが
好きになっちゃうよ。』

頬を一粒の涙が伝った。

目を閉じてあの日、
二人で見た星空を思い浮かべた。