専門学校に入って1年目の冬

18:00にまーくんと約束をした為
私は東京駅に降り立った。

雑踏、駅のアナウンスが飛び交う。
大勢の人達が行き交う構内。

私はやっぱりこの街が苦手だ。

待ち合わせ場所へ急ぐが人の波に流されてしまう。

そのとき、人にぶつかった。

「すいません。」
そう謝り、顔を上げると

「見つけた。」
まーくんが嬉しそうに笑っていた。

「連れて行きたいところがあるんだ。」
そう言って私の手を取り歩いていく。

久しぶりに見るまーくんは
前よりもカッコよくてオシャレで
ドキドキする。

髪型は先月私がカットしたときから
切っていないみたいだ。

渋谷スクランブルスクエアに着くと
「ここの屋上に連れて来たかったんだ。
東京を見渡せるんだ。」

エレベーターに乗りワクワクする。
長い待ち時間もまーくんといると
それだけで楽しくなる。

屋上に着き、街を見下ろすと
眩しいほどに光り輝いていた。

まるで星空のように。

まーくんと寝そべり空を見る。
地上の光に空が照らされて
星は見えなかった。

あの頃から変わってしまったことは
いくつあるだろうか。
もうすぐ20歳になる私達は
これからどれだけ変わっていくんだろうか。

不安をかき消すように
まーくんの手を握り締めた。