ある日の放課後。

美咲にまーくんの相談をしたくて
放課後の教室に呼び出した。

「美咲は卒業したらこっちの大学行くんだよね?」


「うん。

…実はね。光輝、卒業したら東京行っちゃうんだ。

夢を叶えるためにね。」

岡田くんも地元の大学に進学すると思っていたから驚きだ。

「美咲は東京の大学に行かないの?」

「うちは弟と妹がまだ小さくて
お父さんが単身赴任してるから
面倒見なきゃいけないの。

…東京に良い思い出もないし。」


そう言って大きく伸びをした。


「でも、光輝の夢を応援したい。

背中を押せるのは私だけだから

寂しいけど背中を押してあげなきゃ。」

そう笑う美咲は強いと思った。


『私もまーくんの夢を応援しなきゃ。

あの星空の下で初めて語ってくれた夢。

寂しいけど私も全力で応援したい。』


決意を固めてまーくんに電話をかける。

「明日、時間ある?

実家の美容室に来て欲しい。」