小学校高学年の頃、こんなことがあった。

クラスの雰囲気がとても悪くて
気の弱い優しい子がいじめられていた。

私はいつ自分の番になるかと
毎日、怯えながら生きていた。

「白石さんってさ」

1人の女の子が口を開く。

クラス中の視線が集まり、
もうダメだと思ったとき。

田島くんが大きな声で

「お前らいい加減に…」

「みんな仲良くしようよ!

ほら!楽しい方がいいじゃん!

クラスの雰囲気すっげー悪いじゃん!」

田島くんの言葉を遮り、
岡田くんがふざけたように言った。

あの時、私たちを守ってくれたんだね。

無理にでも明るくならないといけなかったんだね。

ごめんね。

いつも私はみんなに守られてた。

…ひとりじゃなかった。